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       いよいよ五家原岳へ.........

 さて、ここからは第二幕、諌早市の「五家原岳」への旅だ。
 松本さんが候補に挙げた目的地、1エリア方面への伝搬に挑戦するベストポイントだ。長崎県と佐賀県の県境にある、海抜1057mの山頂付近からの運用だ。松本さんはじめ6エリア各局が、そして、ここを訪れて運用した他エリア各局の交信実績がある場所だ。
 長崎市内の「唐八景」という展望台で野営し、翌朝、JA6AGP局、高原さんを訪ねた。市内でも大変な丘陵地帯の女の都町は、無線をやるには最適なポイントのだった。高原さんが携帯電話で誘導してくれた。
そして、心尽くしの卵料理のお昼を用意し待っていてくださった。
 改めて、福江島の出口さんのことも伺い、ご紹介をただく。
「お会いできて嬉しかったです」温かいご夫婦のおもてなしに感謝だった。
 「出口さんに、よろしくね」
 福江とは2メータでのお付き合いだとうかがった。

五家原岳でアンテナを組み立て始める松本さん
  長崎市内から202号線を海岸沿いに北上し、高原さんお薦めの「遠藤周作文学記念館」にも立ち寄った。
外海町は、小説「沈黙」の舞台にもなったキリシタンの里だ。 文学館から一望できる五島灘はまさしく絶景
だった。
その「沈黙の碑」に「人間がこんなに哀しいのに主よ、海があまりにも碧いのです」と刻まれていた。
  
 午後の陽射しを浴びながら、佐世保をめざす。佐世保の松本さんに
会うためだ。今回は、とにかく福江島での報告もあるので、早く会いたかった。
 西海大橋を渡り、佐世保への混み合った国道を北上する。
 忙しいなか、松本さんが市内で待っていてくれた。
 野営の場所を探したり、市内の銭湯を案内してくれた。すっかり手間をかけさせてしまった。
 市内で適当な野営地をあたってみたが、駐車規制がきびしく、あちこちを走りまわった。やがて、野営に
好適な、静かな場所「展海峯」を案内してもらえた。
市街地から離れていることもあり、おかげで閑静な夜を迎えることができた。
 
 さて、これから、どうするか。予定の五家原岳行きはどうしたものか思案が始まった。折角ここまで来たの
だから、せめても五家原岳の様子だけでも見て帰りたいところだ。
 
 7月30日、朝、朝食を済ませところへ松本さんが車でやってきた。
 「おはよう」「いい天気になったね」
 「大島さん、ここまで来たんだから、なんとかしようよ」
 そんな話を切り出しながら、車から道具箱を降ろし、用意してきたケーブルや発電機も取り出していた。
気を取り直して、トランシーバや周辺機器の再チェックを改めてやることになった。
 どうしても五加原岳で運用して帰って欲しい、彼の懸命な願いが伝わってくる。
 どうにかラインナップも無難に稼働する見通しがついた。傷んでいた個所も見当がつき、回り込みも解消
できた。
機器間の配線の不必用な長さも原因だった。

 そして、運用を半ば諦めていた私の心が、やがて少しずつ動いた。
 回り込み対策についても、東京からOM局のアドバイスが携帯にも届いていた。
 チェック作業をやりながら、松本さんの話で、佐賀局から応援の機器も届くことが知らされた。
各局からのサポートの申し出に心から感謝だった。
 
 「よーうし!それなら、やってみよう!」 これ以上迷うこともなかった。
 予定は、8月2日、ハウステンボス駅付近で落ち合って、一路、五家原岳をめざすことになった。
 7K3MFL局中村さんに、さっそくメールを入れる。思わぬトラブルで福江島では運用を中止したことで、
がっかりさせてしまったが、何とか、五加原岳へ行くことを伝えた。どうなるかは、行ってみなければわからないが、
やるしかない。
 「諦めないで行ってみます。何か聞こえたらよろしくお願いしますね」
 一喜一憂させた情報だったが、五家原岳運用開始の情報は、各局に、ただちに伝わったことだろう。
本当にお騒がせした。
 
 翌31日、昼食に松本さんを誘って、佐世保港桟橋近くのフランス料理店へ出かけた。
この店とは長い付き合いで、鹿児島や沖縄方面への移動運用の帰り道には寄ることにしていた。
オーナー夫妻の心尽くしの応対で贅沢なランチを楽しむ。 運用再開を決めたことで、少し心の余裕ができた。
 「じゃ、2日に五家原岳に行きましょう」
 「ありがとう。よろしくお願いします」
 ハウステンボス近くのJR駅前あたりで落ち合うことになった。

 8月2日、野営していた「道の駅」からハウステンボスへの道は迷うことなく走れた。
先に到着していた松本さんから携帯に連絡が入り、無事再会できた。

 諌早市の五家原岳への登山道は、松本さんが通い慣れた脇道で、山麓を横切るように登り詰め、やがて
頂上にいたる道に合流するルートだった。
 すでに案内を頂いていた場所だが、山頂よりは、少し下がったところで、車が数台やっと駐車できる程度
の空地だ。山頂付近は駐車スペースは狭く、とても荷物をひろげたりするには他の来訪者に迷惑がかかるので、
この場所を選んだ。 
 松本さん、がさっそく自分の車のルーフにアンテナを組み上げ始めた。
その早さと手際の良さに驚く。私には真似のできないシステムだ。
 アンテナを立ち上げるにしても、傾斜地での作業は手間取りそうだったが、松本さんは、分厚い板材をタイヤの
下にかませることで巧みに水平を出した。私のアンテナの組み立てでは、あまりにも時間がかかりすぎるので、
松本さんのアンテナ、2列2段を借りることになった。
 寄せ合った車の間にブルーシートの天井をつくり、その下に椅子テーブルを置き、シャックが完成。
メインケーブルが下りてきて、私のラインナップに接続。発電機は、少し離れた石垣に置いた。



「大島さん、もうすぐ石橋さんが来るよ」
「本当ですか。嬉しいですね」 
 熊本から JN6BAI石橋さんが、バーベキューセット持参で駆けつけてくれるようだ。
思ったより早く石橋さんが車であがってきた。嬉しい再会だ。
 石橋さんがバーベキューの支度を始めた。松本さんがテスト波を出しチェックに入った。問題はなさそうだ。
これで、いつでも運用が始められることになる。
 美味しそうな焼き物の匂いと煙が立ち込め出した。
「そろそろ食べようよ」「ありがとう。嬉しいなぁ」
 道具も食材もしっかり準備だでき、手際よく宴が始まった。
熊本から応援に駆けつけた石橋さん(JN6BAI局)
バーベキューの宴が始まった。
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