最終回・我が家へ
2006年8月3日〜5日
 8月3日。
 狭い車での長旅の苦労を察して、休んでいけ、と園畠さん から温かいお申し出をいただいたが、旅程からいっても 先がなくなり、どうしても8月5日までに帰宅しなければな らなかった。
広島、岡山各局、本当にご好意ありがとうございました。
 ところが、この方だけは、どうしても、お断りし切れ なかった。JJ3TXX局、芦屋の桑田さんだった。
「今夜ぐらいは、ゆっくり、より広いベッドで休んで いって。もう予約してあるからね」いつも、430.170 SSB 新年会の会場になるホテル竹園。


錦帯橋
 錦帯橋をみたいと云いだす家内。山口ICで降り行って みる。最近でも洪水で橋桁を損傷したと聞いていたが 修復されている。昔、なにかの旅行で見たことはあったが 実際に渡ってみたのは初めてだった。
 桑田さんとは、師として教えられることだけでなく、 また、無線ライフでの輝かしい戦歴とともに、リーダー としての秀逸なヒューマンシップが個性的で、温かい。  今までの私自身の短い無線運用の日々でも、きわめて ユニークな出会いが数々あった。「430.170」と運命を 共にしようという心意気が、多くの仲間を引きつけて やまない。私も、その一人だ。
 神戸北ICから六甲山を越え、国道2号線を芦屋へ向かう。 JJ3TXX局の2列2段のアンテナが左手に見えてくる。
「桑田さん、お世話になります。よろしく。」 ホテルの駐車場が使えないので、車でホテルまで送って いただく。
 明後日は自宅へ帰る、そんな旅の終わりに近い夜、 心尽くしの会食のひととき、心も体も話題も弾んだ。 感謝、感謝。

 8月4日。
 翌朝、バイキングスタイルの朝食でのんびり。
 お礼を云いに桑田さん宅に伺う。社員もみえていない 朝の事務所に、ただ一人、パソコンに向かっている 桑田さん。近くの駐車場に停めてある、わがボロ車を 携帯で撮り、430SSB ML へ送信したとか。慌てる。
 東名を走りたくなかったら、一宮JCTから東海北陸 自動車道が高山近くまで延びているので、行ってみたら とアドバイスをいただく。
 心からお礼を申し上げて事務所を出る。
 晴れ上がった夏空を見上げながら、家内が、今度は 六甲山へ上がってみようと云いだす。かなりの積載量に 息切れしそうな車だが、気を取り直して、六甲山頂を めざす。かなりの急勾配、ゆっくり上がる。  下界がガスっていることもあり、眺望は良好では なかった。名神は多少の渋滞はあったが、順調に走れ 懐かしい伊吹山を左に見ながら一宮JCTへ。
 東海北陸自動車道は初めて走る。各務原、岐阜、 郡上と快適なドライブが続く。この道路の最高点にある SA「ひるがの高原」で野営することにする。ここを 過ぎれば高山市はすぐである。昨年アイボール岐阜大会で おじゃました高山だ。
 海抜873m.さすがに夜は涼しい。蚊がいない夜なんて 久しぶりだった。朝方、タオルケット一枚では、さすがに 寒かった。

 8月5日。
 あまり高山市内には興味のなさそうな彼女が、新穂高 ロープウエイの看板を目ざとく見つけて、北アルプスを 見に行きたいということになる。


真夏のアルプス
 平湯温泉を左にくだり、約18km,かなり狭いところも あるが、ロープウエイ乗り場近くの第二駐車場へと上り 詰める。朝が早いので空いているが、みるみるうちに 駐車場が車で埋まっていく。そこから歩いて10分。
ガイドセンターのなかを通り抜け、ロープウエイ乗り場へ。
 所要時間7分、120人乗りの大型ゴンドラが海抜2156mの 西穂高口駅に着く。
 全く申し分のない全天に一つの雲もなく、青空の快晴。 眼前に広がる北アルプスの名峰がずらり、時間の過ぎるのも 忘れ、ただ見入るばかりだった。彼女が是非来たかったところ だったようだ。でも、こんな天気のいい時期に来れて、私も 良かった。
 乗車口の、しらかば平駅構内のカフェで、美味しいチーズ ケーキとコーヒーで休憩。

 いよいよホームへのラストラン。長かった旅も終わりに 近くなった。「対馬海峡への旅」も、素敵な山々を眺める シーンでエンディングを迎えた。関越自動車道に入り、やや 渋滞ぎみだったが、うまく走り抜け松戸に着いた。
 いつもの「松戸三郷有料道路」へ入ると、いきなり 江戸川上で渋滞のため停車。しかし、思いがけないことが 始まっていた。なんと、今晩は、松戸、江戸川方面の花火 大会。豪華な打ち上げが始まったところだった。
 まるで、長旅、お帰りなさい、と云っていてくれるよう だった。渋滞大歓迎なんて、馬鹿なことを云いながら すばらしいプレゼントに大満足だった。

 こんなに変化に富んだ旅も珍しかった。各局、本当に ありがとうございました。また、波の上で是非お会い しましょう。午後8時、無事、帰宅。